今週のお題「お気に入りの靴下」
小学校時代。
僕は「しっかり靴下を履く派」であった。
しっかり靴下を履く派。
暑い夏であっても、ビーサンなどは基本的には履かず、運動靴に靴下をしっかり履くスタイルで暮らしていた。
なんか、靴下を履いていないと「だらしない感じ」がして嫌だったのだ。
が、僕のスタイルと真逆を行く友達がいた。
その子は裸足で靴を履くのだ。靴下を履かないでそのまま靴を履くのだ。
夏でも冬でも裸足。裸足に靴。
石田純一スタイル。
(以後彼のことを純一と呼ぶ。)
純一は背は低め。少し長髪でちょっとワイルドな感じ。
そして、虫が好き。
恐ろしいぐらい僕と真逆。
僕は虫苦手。
ある日の放課後、
純一を含むその他友達と一緒に帰ることがあった。
で、流れで「かばん持ち※」をして帰ることに。
※じゃんけんで負けた人が友達のランドセルを1人で全部持って、ある程度の距離を運ぶ遊び。
何回かじゃんけんして、負けた人がランドセルを運んで、、、を繰り返していく中で、とうとう僕もじゃんけんに負けてしまった。
で、
2個先のマンホールまで運ばねば。はあ。
って感じで、純一のランドセルを持つと、、
軽い。
超軽い。
恐ろしいぐらい軽い。
小指で持てるぐらい。
僕は純一に聞いた。
「ランドセル軽くない?」
「何も入れてないから。」
彼はそう言って僕にランドセルの中身を見せてくれた。
そこには、
少し泥のついた縄跳びがひとつだけ。
ええええええええ。
なんで教科書ないの???
筆箱はどうした???
漢字辞典はどうした???
給食袋はどうした???
図書館で借りた本は入っていなのか???
当時の僕はけっこう真面目少年だったので、
縄跳びしか入っていないランドセルにめちゃくちゃ衝撃を受けた。
衝撃を受けている僕を見て純一は笑っていた。
穏やかに笑っていた。
この件の記憶はここまで。その後のことは覚えてない。
純一とは同じクラスになったことがなくて、中学生になる前にいつの間にかいなくなっていた。
今何やってるのだろう、純一。
常識にとらわれない男、純一。
けっこう大物になってそう。
おしまい。