今週のお題「赤いもの」
大学入学試験会場で必ずやっていたこと。
一番最後に試験会場である教室を出ること。
最後まで教室に残っていると受かるような気がしたのだ。
自分の中のおまじない。
第一志望の大学での試験が終わり、
僕はいつも通り、ゆっくりゆっくりゆっくりと帰り支度を進めていた。
試験が終わると多くの受験生はとっとと教室を出ていくもの。
さて、そろそろ誰もいなくなったかな。
周りを見渡すと、赤いスタジャンの男が1人。
その男もまた、ゆっくりゆっくり帰り支度を進めていた。
ちぇっ、早く片付けて帰ってよ。
更にゆっくり帰り支度をすすめる僕。
がしかし。
赤いスタジャンの男、なかなか席を立たない。
そこから、僕らの戦いが始まった。
いや、すでに始まっていたのかもしれない。
鉛筆1本1本をゆっくりしまう。
受験票をゆっくりしまう。
机の上の消しゴムのカスを一箇所に集める。
かばんの中の手袋を探すフリ。
幼稚園児もびっくりの帰りの支度の遅さ。
でも絶対負けられない!(何に?)
で、結末はあっけなく訪れた。
職員の人が教室に入ってきて、退出を促してきたのだ。
「締めますので教室を出て下さい。」
僕らは、強制的に教室を出ることになった。
出口に近い赤いスタジャンの男から退出することに。
最後まで教室に残れたもののなんかスッキリしない結末。
教室を出ると赤いスタジャンの男は職員の人と軽く談笑をしていた。
談笑!である。
何を話しているかわからないけど、ニコニコしながら話している。
なんかムカつくー!
ニヤニヤしながら話しやがって!
もう大学生になったつもりかー!
調子に乗るなー!
いけ好かない!
こういう人きらーい!
その年の春。
僕らは、
その大学のキャンパスで再会する。
4年後、
2人が大学院入試に挑み、
勝利の雄叫びを上げながら大学の構内を一緒に走り回ったのはまた別のお話。
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なんか「先週のお題」と「今週のお題」が繋がっている!
シームレスワールド!
シャレオツブログー!
(大いなる自己満足)
おしまい。