output43’s blog

誰かに都合よくいい感じで見せたい雑記

お花見の寂しさ、友達の優しさ

今週のお題「お花見」


お花見の思い出。


40回以上、春を通り過ぎているけど、お花見に行ったことって、ほとんどない。まあ、誘われないし。


そもそも、お花見は苦手なのだ、今も。


あれは大学生の春。友人Aが言った。


「今度みんなで花見する事になったから来なよ。」


やさしく誘ってくれている友人に対して僕は「行けたら行く。」という、基本行かない前提のような返事をしてしまった。特に用事があったわけでもないのに。中3ぐらいからずっとそんな感じ。大学生でも思春期ずるずるで人付き合いの悩みは続いていた。人づき合いがうまくいかない事をごまかすための「つれない感じ」。「花見とかそれほど興味ないんだよねーな感じ」。誘われて嬉しいくせにね。何の解決にもならない、誰も得をしない負のループぐるぐるだった。


あの頃に戻れるなら一発ぶん殴ってやりたい、とかよく言うけど、実は十分大人になった今もあまり変わっていない。なので、今の自分を殴ることになっちゃうので、性格ってなかなか変わらないね、しょうがないよね、という事で自分を受け止め前向きに生きていきたい。


というわけで、花見の当日。


やる事もないのになぜか一人暮らしのマンションでぐだぐだTVを見ている自分。とても葛藤していた。「行きたい。行って今度こそみんなと小粋な会話のキャッチボールをして盛り上がりたい。何なら、笑いも取ったりして、女子から面白いね、って言われたい。」という前向きな気持ちと「頑張って行ったって、結局、桜の木の下でひとり愛想笑いをしながら体育座りで過ごすことになるんだよな。うう。」という後ろ向きな気持ちが戦っていた。うだうだうだうだ。時間が過ぎていく。


結局、


「そうだ!ちょっと遅れて行くことにしよう。」


ということで気持ちの整理がついた。


「そんな積極的に花見に来たかったわけでもないけど、Aに誘われたし、みんなと楽しく過ごしたいから来ちゃった。」的な「てい」で行くという事で自分の中で納得したのだ。意味が分からない。自分の事だから意味は分かるけど、分からない。気持ちはミステリアス。


あまり遅れすぎると、それはそれで、友達の輪の中に入りずらい。


僕は急いで支度をした。


レイトンハウスのおしゃれカラフルな帽子、


イーストボーイの肌寒いおしゃれパーカー、


よく知らないバスケットボール選手モデル(≠MJ)のバスケットシューズ、


ソニプラで買ったスケルトン&カラフルウォークマン(カセットテープ版)


ばっちり完璧な勘違いファッションで僕は電車に乗って花見会場へと向かった。


目的の駅で降りると、ポツポツポツ。雨が降り出していた。でも、僕は信じていた、きっとみんなはまだいるはず。走るのはかっこ悪し、でも急ぎたいし、で早足で花見会場に向かった。


花見会場に着くと、雨の中でもまだ人はそれなりにいた。ほっ、大丈夫、どこかにみんないるはず。僕は、会場中を歩き回って友人グループを探した。あまり必死になるのも格好悪いので、僕は超オシャレウォークマンで当時のお気に入りの曲をパワープレイで聞きながら、「軽い散歩してます」風に会場を歩き回った。



いない。結局友人グループはいなかった。ここまで足を運んでみんなと合流出来ない。あまりに寂しすぎる現状を打破しなければ。僕は考えた。みんなどこだ?そう、雨を避けるために誰かの家に行っているに違いない。花見に参加していて、一人暮らしで、さらに僕が電話できる仲の友人Bの顔が浮かんだ。Bの家に違いない。僕は急いで公衆電話からBの家に電話した(当時は携帯がまだ普及する前。今では考えられないけど何人かの友達の電話番号は暗記していた。自分すごい。)


何回かコールが鳴り、そして留守電に。何回か掛け直すもやはり留守電。そこにはいないのか。。。


だがまだ望みはあった。そもそも花見の席に僕がいないのだ。一応「行けたら行く。」と返事したこの僕がいないのだ。みんな、気にしているに違いない。「どうしたんだろう。なかなか来ないね。」「雨だから移動したいけど彼が来る前に移動したら悪いよね。」きっとそんな会話があったに違いない。そう、みんな心配しているはずなのだ。


だとすると、、、、


僕は急いで自分の家(一人暮らしのワンルーム)に電話をかけた。誰もいない我が家に。なぜか。僕の家の電話は外出先から留守電を聞く機能があったのだ。心配している友人たちが僕の家の電話にメッセージを残しているはず。

「ごめんね。雨が降ってきたから移動しちゃった。○○の家︎にいるから来てね!」思い出しても恥ずかしいくらい都合の良い期待。そんなメッセージを期待したが、、、、まあ、もちろん、そんなものはなかった。ジ・エンド。

僕の花見はそれで終わった。


改めて寂しい思い出である。けど、自分が悪いのでしょうがない。

そして、思い出される当時の友人たち。前向きに考えると、こんな性格の僕だからこそ素敵な友人たちに恵まれたとも言える。この「かまってほしいけど、かまわないで、でも、やっぱりかまって」というひねくれた性格を受け止めて、むかつく返事をしてくることを知った上で花見以外でも何かと諦めずにイベントに誘ってくれた友人たち。ありがとうございます。思えば学年が上がるたびにイベントへの参加率は上がっていきました。そして当時の友人たちとは今も付き合いがある。なんだ、幸せではないか。よかった。ちょっと頑張っていこう。