近所のドラッグストアに「とっても感じの良い店員さん」がいる。
大学生ぐらい。
顔の見た感じ藤井聡太と大谷翔平を足して2で割ったような青年。(以下、藤谷君とする)
親切。気が利く。丁寧。笑顔。明るい。
商品をレジに通し、かごに商品を入れる際も程よく丁寧。そっと置く。
(他の店員さんは少し雑だったり。)
会計済みの商品の入ったかごをスマートにひょいっとカートに乗せてくれる。
(他の店員さんは乗せてくれたりくれなかったり。)
スマホ決済で画面がなかなか出てこなくても
「ここ電波悪いですよね。ゆっくりで大丈夫ですよ。」
(他の店員さんは基本無言待機。)
ってなわけで、藤谷君がいるときは基本藤谷君のレジに並ぶようにしている。ただの日用雑貨の買い物でも、藤谷君のおかげでとても気分が良くなるので!
で、思う。
みんな藤谷君みたいだったらいいのに。
で、思う。
これは今の時代、不当な要求。
藤谷君、その他レジの店員さんの時給はだいたい1,000円ぐらいだと思う。スタッフ募集のポスターを見るに。
藤谷君の働きっぷりは時給1,000円以上の価値があると思う。でも、どんなに丁寧で、笑顔で、感じが良くても1,000円。過剰労働藤谷君。藤谷君のホスピタリティを他の店員さんに求めるのは過剰要求。学校の先生に24時間生徒のこと考えろ、無休で休日も働け、って言っているようなものなのだろう。その流れで考えると、藤谷君は他の店員さんにとっては迷惑な存在かもしれない。「愛想振りまきやがって。俺たちが感じ悪い店員みたいじゃないか。」みたいな。じゃあ、藤谷君が今よりもホスピタリティを減らして働くのが正解!っていうのも違う気がする。活気がなくなるお店。それは悲しい世界。理想は藤谷君がホスピタリティを発揮して働いた分の対価をしっかり払う世界。スーパー店員藤谷君は金色の縁の名札とかつけてバリバリ働いて高給取りになればいいのだ。藤谷君もお客も幸せな世界。でもお店の利益減っちゃう、時給が上がっちゃうから。その分商品の値段も高くなる。ああ、みんなが幸せって難しい。いや大丈夫、スーパー店員藤谷君の集客力に期待。お店もハッピー。みんな幸せ。そんな世界がいいなあ。
おしまい。