名ピッチャー村田兆治さんの思い出。
僕が中学生の時、村田兆治さんは「サンデー兆治」と呼ばれていた。
手術をして怪我から復活した村田兆治さんは中6日空けて毎週日曜日に登板してたから。
その「サンデー兆治」っていうネーミングのキャッチーさと、更に「マサカリ投法」って言う体を後ろに倒して足をぐわっと上げて投げるダイナミックな投法が中学生の僕たちを魅了していた。
で、中学時代、僕はテニス部だったのだけど、テニス部の練習が終わると同級生たちとテニスコートの片隅で草野球をやるっていうのが一時期流行った。
テニス部なので草野球で使うボールはテニスボール、そしてバットはラケット、と言いたいところだけどバットはラケットではなくて「一打入魂」って書かれた長さ1メートル以上ある棒を使っていた。座禅組んでいて動くとお坊さんが肩を叩くときに使う平べったい棒みたいなやつ。この棒、何に使われていたかっていうと、なんかテニスでミスすると先生がその「一打入魂」の棒でお尻を叩くっていう今では考えられない体罰の象徴のような棒。
(先生の名誉?のために言っておくと、僕がテニス部に入ってからは使われるのを見たことはないです。先輩が言っていた。)
で、素人草野球でやることと言ったら当時の有名野球選手の真似。
バッターは巨人の「呂明賜(ろめいし)」
体を振り切るダイナミックなスィングが魅力!呂明賜、懐かしい、、、
そしてピッチャーは「サンデー兆治」
マサカリ投法からの鋭く落ちるフォークボール!
ってことで、ピッチャーはみんな足を振り上げてフォークボールを投げようとするのだけど、フォークボールって人差し指と中指でボール挟んで投げるのでコントロールしずらかったり、そもそもマサカリ投法の真似をしているので投球フォームもグラグラで安定せずボールが明後日の方向に飛んでいってしまったり、思いっきりワンバンしちゃったり。
バッターはバッターで「呂明賜(ろめいし)」なので、バットコントールというよりは「思いっきりバットを振り切る」ことに重きを置いてバットを振るのでボールに当たらない。
もう全然野球にならない。
でも楽しかったな。
で、その試合、いつも突然終了となる。
なぜかというと、顧問の先生がテニスコートに見回りに来るから。
その時に帰宅していないと怒られるから。
校舎とテニスコートは離れていて、いつも顧問の先生はスーパーカブ(バイク)に乗ってやってくるのだけど、先生が遠くからやって来るのを誰かが見つけると、
「やばい、先生来た!」
って言って、いっそいでフェンスの影に隠れたり、用具入れの後ろに隠れたり。
で、見つかると怒られて帰るっていう。
めっちゃ楽しかったな。
良き思い出、ありがとうございました。
おしまい。