output43’s blog

誰かに都合よくいい感じで見せたい雑記

就活の手帳とノスタルジー

今週のお題「はてな手帳出し」

20年以上前。

就職活動で必要なものといえば、

 ・リクルートスーツ

 ・黒い革靴

 ・黒いビジネスバッグ

そして、

 ・システム手帳。

紋切型のスタイルなんて考えられない!

俺は自分の個性で勝負するぜい!

ノーネクタ、Tシャツ上等!

っていう気概は全くなくて、

右にならえでデパートの店員さんに言われるがままに、

「良い子の就職活動セット」

を購入して就職活動をしていた。

で、

その時に買った

黒革のシステム手帳。

1万円ぐらいしたんじゃなかろうか。

はっきり覚えていないけど、高かった記憶。

この手帳。

就職活動中全然使わない。

説明会に行ってメモを取る時はノート(キャンパスノート的なやつ)の方が取りやすかったのでそっちを使うし、っていうか、スケジュールも連絡先も全てノートに書いてた。

システム手帳なので、カレンダー、アドレス帳、路線図、メモ帳、ちょっとした定規みたいなやつ、などなど色々ついていたけど全然使わないという。。。

しかも、この手帳は

A5ぐらいの大きさで厚さが2cmぐらいあるからかなり重いしで、ほんといいところがない。

でも、紋切型大学生の僕としては

「この手帳は使わないし、重いから持ち歩かない。」

という選択肢を選ぶこともできず。

なんか、面接先で「手帳も持ってないの?」って言われる不安に勝てなかったのだ。

(絶対に言われないけど。)

就職活動セットの1つが欠けてしまうのが怖かったのだ。

なもんで、

使うこともない役立たずで重い「黒革の手帳」を「黒いビジネスバッグ」に入れていつも持ち歩いていた。。。。

 

ってずっと思っていたのだけど、、、

 

10年ぐらい前、実家に帰ったときに自分の部屋に放置されていた黒いビジネスバッグを見つけた。

何の気なしに、バッグの中を見ると、黒革の手帳が。

「懐かしー。そうそう、これ持ち歩いてた。」

「全然使わなかったなー。」

「重かったなー。」

パラパラ。

記憶の通り何も書いてない。

パラパラ。

手帳のページの後ろの方に、

「プリントとかを突っ込めるチェック付きのクリアファイル」

が少しだけはみ出ていた。

「あー、こんなもの付いてたな。」

何気なく見る。そこには、

 

当時好きだった人と一緒に写っている写真が入っていた。

うっすらと蘇る過去。

初めての就職活動。慣れない大人とのやりとり。

大丈夫、いける!いや、失敗するかも↓

常にある不安。

面接に向かう電車の中で、

周りの人に見られないように、

黒いビジネスバッグの隙間から手帳を開いて写真を見ていた記憶。

この手帳は僕にとってのお守りだったのだ。

手帳の写真に勇気をもらって、僕は戦っていたのだ。

おかげで希望する会社にも入れた。

この手帳は「重いだけの役立たず」ではなかった。

僕のそばにいて、いつも一緒に戦ってくれていたのだ。

ありがとう、手帳。

ありがとう、好きな人。

がんばろう、自分。

 

おしまい。